国民年金・国民健康保険は経費?控除の正しい扱い方
結論:経費にはならないが、全額「社会保険料控除」で控除できる
国民年金保険料と国民健康保険料は、事業の経費にはなりません。しかし、確定申告の「社会保険料控除」として全額を所得から差し引けます。節税効果は経費と同じです。
なぜ経費にならないのか
国民年金や国民健康保険は、事業の経費ではなく個人の社会保険です。事業をしていなくても支払う義務があるため、事業経費とは認められません。
帳簿上は「事業主貸」として処理します。
帳簿上の仕訳
事業用口座から支払った場合
事業主貸 16,980円 / 普通預金 16,980円
(国民年金保険料 3月分)
事業主貸 35,000円 / 普通預金 35,000円
(国民健康保険料 3月分)
事業用口座から支払っても「事業主貸」です。事業とは関係のないプライベートな支出として処理します。
プライベートの口座から支払った場合
帳簿への記載は不要です。確定申告の社会保険料控除欄に金額を記入するだけです。
確定申告での控除方法
確定申告書の「社会保険料控除」欄に、1年間に支払った金額を記入します。
控除できる社会保険料
| 種類 | 控除の対象 | |------|----------| | 国民年金保険料 | 全額控除 | | 国民健康保険料 | 全額控除 | | 国民年金基金 | 全額控除 | | 介護保険料 | 全額控除 |
控除に必要な書類
- 国民年金:日本年金機構から届く「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」
- 国民健康保険:支払った金額がわかる納付書・口座引落の記録(証明書の添付は不要)
国民年金の前納で節税
国民年金は前納すると割引があります。
- 6ヶ月前納:約1,160円割引
- 1年前納:約4,270円割引
- 2年前納:約16,590円割引
前納した場合の控除方法は2つあります。
- 支払った年に全額控除:前納した年にまとめて控除
- 各年に按分して控除:対象期間の年ごとに分けて控除
どちらでも選べます。所得が多い年にまとめて控除するのが有利です。
家族の分も控除できる
配偶者や家族の国民年金・国民健康保険を自分が支払った場合、自分の社会保険料控除に含められます。
たとえば、配偶者の国民年金保険料を自分が支払えば、自分の確定申告で控除できます。
よくある間違い
- 経費に入れてしまう:国民年金・国保を「法定福利費」や「保険料」で処理するのは間違いです
- 控除を忘れる:経費にならないからといって何もしないのは損です。必ず社会保険料控除を使いましょう
まとめ
国民年金・国民健康保険は「経費」ではなく「所得控除」です。全額控除できるので、節税効果は変わりません。確定申告で忘れずに記入してください。
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