ボーナス・賞与の仕訳方法|社会保険料の計算
賞与の仕訳は天引きが多くて複雑
ボーナス(賞与)の仕訳は、給与よりも少し複雑です。理由は天引きする項目が多いから。
社会保険料、雇用保険料、源泉所得税。これらを正しく計算して仕訳する必要があります。
賞与支給時の基本仕訳
従業員に賞与30万円を支給する場合の仕訳です。
天引き項目の内訳(概算)
| 項目 | 金額 | |------|------| | 健康保険料(本人負担) | 14,760円 | | 厚生年金保険料(本人負担) | 27,450円 | | 雇用保険料(本人負担) | 1,800円 | | 源泉所得税 | 18,837円 | | 差引支給額 | 237,153円 |
仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | |------|------|------|------| | 賞与 | 300,000 | 普通預金 | 237,153 | | | | 預り金(健保) | 14,760 | | | | 預り金(厚年) | 27,450 | | | | 預り金(雇保) | 1,800 | | | | 預り金(源泉) | 18,837 |
社会保険料の計算方法
賞与の社会保険料の特徴
賞与にかかる社会保険料は、「標準賞与額」を基に計算します。標準賞与額は、賞与額の千円未満を切り捨てた額です。
- 健康保険料率:約9.84%(都道府県により異なる)→ 本人負担は半分の約4.92%
- 厚生年金保険料率:18.3% → 本人負担は半分の9.15%
- 雇用保険料率:0.6%(2026年度、一般の事業)
上限額に注意
- 健康保険:年度累計573万円が上限
- 厚生年金:1回あたり150万円が上限
上限を超えた分には保険料がかかりません。
会社負担分の仕訳
社会保険料は会社も同額を負担します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | |------|------|------|------| | 法定福利費 | 14,760 | 未払金(健保) | 14,760 | | 法定福利費 | 27,450 | 未払金(厚年) | 27,450 | | 法定福利費 | 1,050 | 未払金(雇保) | 1,050 |
雇用保険の会社負担率は本人負担率と異なります(会社0.35%、本人0.6%は一般の事業の場合)。
源泉所得税の計算
賞与の源泉所得税は、通常の給与とは計算方法が違います。
- 前月の給与から社会保険料を引いた金額を求める
- 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で税率を確認
- 賞与から社会保険料を引いた金額に税率をかける
例:前月給与(社保控除後)25万円、扶養なしの場合
- 税率:6.126%
- 源泉所得税:(300,000 - 44,010)× 6.126% ≒ 15,678円
実際の税率は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で確認してください。
賞与引当金を使う場合
決算時に翌期の賞与を見積もって「賞与引当金」を計上する方法もあります。
決算時:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | |------|------|------|------| | 賞与引当金繰入 | 150,000 | 賞与引当金 | 150,000 |
賞与引当金を使うと、期間損益がより正確になります。
賞与の仕訳は項目が多いですが、テンプレート化すれば毎回同じ流れで処理できます。フリーフリーなら社会保険料の自動計算にも対応しています。