経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の活用法
掛金が全額経費になる経営者のための保険制度
経営セーフティ共済(正式名称:中小企業倒産防止共済)は、取引先の倒産に備えるための共済制度です。掛金は月額5,000円〜200,000円で、全額を経費(損金)に算入できます。
節税しながら、万が一の倒産リスクに備えられる一石二鳥の制度です。
制度の仕組み
共済金の貸付
取引先が倒産した場合、掛金総額の10倍(最大8,000万円)まで無担保・無保証で融資を受けられます。
一時貸付制度
取引先の倒産がなくても、掛金総額の7〜9割を一時的に借りることができます。急な資金需要に対応できます。
掛金と節税効果
掛金の設定
- 最低額:月額5,000円
- 最高額:月額200,000円
- 積立上限:800万円(上限に達すると掛金の引き落としが停止)
節税効果(月額200,000円・年間240万円の場合)
| 課税所得 | 税率 | 年間の節税額 | |---|---|---| | 500万円 | 20% | 約72万円 | | 700万円 | 23% | 約79万円 | | 1,000万円 | 33% | 約106万円 |
※ 個人事業主の場合は必要経費、法人の場合は損金に算入。
前納制度
1年分を前納できます。前納した掛金は、支払った事業年度の経費にできるため、決算前の節税対策として活用されます。
加入条件
以下の要件を満たす事業者が加入できます。
- 個人事業主:1年以上事業を行っていること
- 法人:資本金3億円以下または従業員300人以下
業種によって従業員数の基準が異なります。
解約時の注意点
解約手当金
解約時に掛金が戻ってきますが、加入期間によって返戻率が異なります。
| 加入期間 | 返戻率 | |---|---| | 12か月未満 | 0%(掛け捨て) | | 12か月以上 | 80%〜 | | 40か月以上 | 100% |
40か月(3年4か月)以上加入すれば、掛金の100%が返ってきます。
解約手当金は収入になる
解約手当金は、個人事業主の場合は事業所得の収入、法人の場合は益金として課税されます。つまり、掛金を経費にした分、解約時に課税されます。
解約のタイミングを工夫する
解約手当金が課税されることを踏まえ、以下のタイミングで解約すると有利です。
- 赤字の年に解約:赤字と相殺できる
- 大きな経費が発生する年に解約:経費と相殺できる
- 廃業時に解約:事業所得として清算
- 法人成り時に解約:個人事業の最終年に計上
小規模企業共済との違い
| 項目 | 経営セーフティ共済 | 小規模企業共済 | |---|---|---| | 控除の種類 | 経費(損金) | 所得控除 | | 月額上限 | 200,000円 | 70,000円 | | 積立上限 | 800万円 | なし | | 解約時の課税 | 事業所得(益金) | 退職所得 | | 加入条件 | 1年以上の事業実績 | 事業開始時から可 |
両方に加入して節税効果を最大化するのがおすすめです。
経営セーフティ共済は節税と資金繰りの安定を両立できる制度です。フリーフリーでは、フリーランスの節税戦略について詳しく解説しています。